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毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第116回 ブラインドサッカー ワールドグランプリ2018特集

2018年05月06日 放送

全盲の選手がプレーする、ブラインドサッカー。
3月、新たな国際大会が日本で開催された。世界の強豪6カ国が戦う『IBSAブラインドサッカー ワールドグランプリ2018』。
アジアからは唯一出場の日本。現在世界ランキング9位。並み居る強豪を相手に果たしてどこまで勝ち進むことができるのか?

本番を控えた2週間前。
千葉の幕張で行われた、日本代表強化合宿。
キャプテン川村怜選手と先月番組でご紹介したばかりの黒田智成選手。
二人のエースがチームを引っ張り、最後の調整を行っていた。

コートはフットサルと同じ広さでサイドにはフェンスのあるブラインドサッカー。全盲の選手がアイマスクを着用してボールの「音」を頼りにプレーする。ゴールキーパーは目の見える選手が務め、声で指示。ボールを奪いに行くときは衝突を避け、「ボイ」と声をかけなければならない。
コーチや監督が声を出して指示を送るのはもちろん、敵陣ゴールの裏にはガイドと呼ばれる人が立ち、ゴールまでの距離やシュートのタイミングなどを選手に伝える。
日本代表合宿でも、そんな選手への「声」による指示がさかんに飛び交っていた。選手の足元にピッチを12分割したピンクのライン。
監督「あれはですね、あの…何mちょっと運んでって言っても、そのちょっとが人によって違う。何番から何番まで運べって言ったら、いまマスの認知はあるのでそこまで運べる。決定を早くするために場所の限定をしている」
12分割したラインはボールを正確に運ぶためのアイデアだった。
初戦の相手は去年のヨーロッパ選手権で3位の強豪、イングランド。
前半14分、黒田選手の左足で日本が先制。そのわずか2分後にイングランドのダニエル・イングリッシュ選手の強烈なゴールで同点とされるが、後半に右サイドにいた黒田選手が勝ち越しのゴール。
結果は、2対1。
初戦のイングランドに勝利し、弾みをつけた日本。
監督「思った以上にプラン通りに進められたなと。トレーニングの成果が出たゲームだったのかなと思います」
翌日。イングランドが先にトルコとの第二戦を終え、勝利。
日本はトルコに勝てば決勝進出。対するトルコは世界ランキング6位。
9位の日本にとっては格上の相手。
開始直後、相手選手と激しく衝突した黒田選手。異変はその直後に起きた。
ボールがどこにあるのか分からない。いつもなら聞き分けられるボールの音に反応できない。愕然とし、足が止まってしまった黒田選手。
試合後、監督に伺うと…
監督「耳の鼓膜が破れた感じで…」
なんと、衝突の空気圧で左耳の鼓膜が破れていた。全治4週間のケガ。黒田選手は前半を終えると、ピッチの外へ。
両チーム無得点で迎えた後半。トルコが先制ゴール。
なんとかこの状況を打破したい日本。もう一人のエース、川村選手が気を吐くが執拗にマークされ、なかなかシュートを打つことができない。
結果、トルコに負けた日本。
グループAはイングランドが決勝進出。日本はフランスとの5位決定戦へ。
キャプテン川村選手の活躍が期待されるなか、試合開始。
前半9分、キーパーからのロングスローをゴール近くで受けた川村選手。
ディフェンスをさらりとかわして待望のゴール。
川村「最後の試合は何が何でも勝ちたかったので、勝利で終われて非常に嬉しいです」

決勝はグループBを全勝で勝ち上がったアルゼンチンと、日本が初戦で勝ったイングランド。両チーム果敢にゴールを狙うも、無得点のまま後半が終了。
今大会初のPK戦にもつれ込み、アルゼンチンがブラインドサッカーワールドグランプリの初代王者に輝いた。
5位で大会を終えた日本。今後の課題は?
川村「2勝1敗で終われたことは、日本にとって次につながる大きな成長を感じられる大会になったと思いますし、もっとゴールを貪欲にこだわっていきたいと思います」
監督「決定力を上げる。決定力があと1割上がったら昨日も勝ってましたし、どことやっても勝てると思う。チャンスメイクはできているので決めるところを決めて、決めた後に強い守備力を発揮する」
世界の強豪を相手に勝てる力はあると確信できた今回のワールドグランプリ。
日本の挑戦は続く。2020年東京でのメダルを目指して。

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