ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第108回 アルペンスキー 村岡桃佳

2018年03月10日 放送

9日に開幕するピョンチャンパラリンピックのメダル候補!
日本選手団の旗手にも選ばれた、21歳の現役女子大学生チェアスキーヤー 村岡桃佳選手!ソチでの悔しさをバネに、彼女が磨き上げたストロングポイントとは?2度目の大舞台への挑戦を追う!

17歳の若さでソチパラリンピックに出場。今シーズン、ワールドカップで5度、表彰台に上った成長著しい21歳。平昌パラリンピックでは日本代表の旗手にも選ばれた。
早稲田大学 所沢キャンパス。村岡選手は、現役女子大生。早稲田大学のスキー部はこれまでキング・オブ・スキーと称された荻原健司さんや、平昌オリンピックで銀メダルを獲得した渡部暁斗選手を輩出してきた名門。そんなスキー部にとって、村岡選手は初の車いす選手。合宿所はOB・OGの協力も得てバリアフリー化された。

活発な女の子だった村岡選手の体に異変が起きたのは、4歳のとき。
村岡「真夏の昼下がりぐらいですね」「歩いて5分かからないくらいのスーパーがあって、そこに3人で買い物に行こうかって、家をでたんですけど、半分ぐらい行ったとき、足がすごく重くなってきて、だんだんだんだん足が重くなって」「買い物をして、帰ろうって時に、もう足が動かない。歩けないっていう状態で」
診断結果は横断性脊髄炎。足に麻痺が残り、車いす生活になった。それでも、元々外で遊ぶのが大好きだった村岡選手は様々なスポーツイベントへ参加。中でも一番のめり込んだのが、チェアスキー。
村岡「どこ(が好き)って言われるとわからないんですよね。私も聞きたいです。だって山降りてるだけじゃないですか?何が楽しいのって結構思うんですけど、ただ滑ってると本当に楽しくて好きだなって思うので」
中学2年生から本格的にチェアスキーを始め、僅か3年でソチパラリンピックに出場すると、初出場ながら5位入賞!その翌年には、世界選手権で銀メダルを獲得!去年はワールドカップで優勝するなど、日本女子のエースとして活躍している。
パラアルペンスキーの種目は、高速系と呼ばれる滑降とスーパー大回転、技術系と呼ばれる大回転と回転この2つを合わせたスーパー複合の全5種目。平昌では全種目に出場予定の村岡選手。高速系と技術系では、大きな違いがあると思いますが、全種目に出るための秘訣は?
村岡「ターン技術ですかね。ターン技術があるからどの種目でも出場できるし、どの種目でもメダルを狙える位置にいるとは思うので」
その技術こそが村岡選手のストロングポイント。
村岡選手の強みについて日本代表のヘッドコーチは…
「カービングターンですよね」「なかなか出来ないんですよね、女子だとやっぱり」「こっちのターンはいいけどこっちのターンはちょっとしんどいかなとか」「両方できるってなると本当に(世界でも)2~3人だと思います」苦手な向きになると、板をずらしてしまう女子選手が多い中、村岡選手は左右両方でカービングターンをすることが出来る。
村岡「ちょっとずらして入ってしまったターンを、カービングターンできれいに描けるようにするっていうただそれだけで確かコンマ1秒速くなるって聞いたんですよ」「だからそれを、ターンがいっぱいあるので続けていけばじゃあ何秒速くなれるんだって話じゃないですか」
ターンのポイントとなるのが、姿勢。
村岡「上半身を残して、外側から見た時にくの字を作れるようにするということを一番意識して滑っています」
頭を倒さず『くの字』の姿勢をキープすることで1つのターンを素早く終えることができ、次のターンへの準備に入れる。そのため、スピードを殺さないカービングターンを左右どちらでも続けることができる。また、日本代表チームの環境も強さの秘密の一つ。ワールドカップで3度の総合優勝に輝いた森井大輝選手、回転競技のスペシャリスト鈴木猛史選手とパラリンピックで3つの金メダルを持つ狩野亮選手!世界のトップ選手がズラリと揃う恵まれた環境。紅一点の村岡選手は、必死で彼らの練習についていった。 世界トップレベルのターン技術は世界トップレベルの練習環境から生み出されていた。2度目の大舞台、ピョンチャンパラリンピックに挑む、村岡選手。4年前のソチ大会には、苦い思い出があった。
村岡「全てが辛かったですね」「緊張感とか空気感に圧倒されたし飲まれたし本当に怖くて」「まだまだ未熟な部分は多かったけどでもその時持っていた力を発揮できなかったっていうのはあったので」
その悔しさをバネに取り組んだのが『くの字』の姿勢を安定させるためのトレーニング。持ち前のバランス感覚に加え、体幹を強化することで左右両方のカービングターンに磨きをかけてきた。さらに、チェアスキーのシートにもターンがしやすいよう改良を加えた。
村岡「左右均等にする為にここの開き具合とか、高さを変えました」
右ターンが苦手だった村岡選手、シートの形状と高さを調整することでターンを進化させていた。
村岡「4年前本当に辛かったり悔しい思いをして、それを糧にこの4年間頑張ってきたので」「何か形にしたいなっていうのもそうですし、自分自身の気持ちとしても今すごく勝ちたいっていう気持ちがあるのでメダル獲得を目指して頑張りたいと思います」
心強い言葉を残し、決戦の地へ旅立った村岡選手。活躍に期待!

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