ストロングポイント

毎週日曜 17:30~18:00放送

放送内容

第106回 アルペンスキー 森井大輝②

2018年02月24日 放送

5度目の出場となる平昌パラリンピック。悲願の金メダルに挑む森井大輝選手。
ワールドカップ総合チャンピオンに3度も輝いたチェアスキー界のエースだが、
パラリンピックでの最高成績は銀メダルにとどまっている。そんな彼には誰にも負けない武器がある。
悲願達成のために磨き上げてきたスキー板のエッジを効かせ、スピードを殺すことなく滑る「精度の高いカービングターン」、そして、新たに開発した“森井モデル”のチェアスキー。
37歳の覚悟と挑戦。その進化した、新たな滑りとは?

スキーを始めたのは小学生の頃。おじいさんに、ゲレンデへ連れていってもらったのがきっかけ。しかし16歳のとき、交通事故で脊髄損傷。車いすの生活に。ふさぎこんでいた入院中、テレビで観た長野パラリンピックがチェアスキーとの出会い。
森井「僕と同じ障がいを持った人たちというのがゴールエリアで本当に楽しそうに笑っているんですね。その姿を見たときに、すごく衝撃を受けて、僕もチェアスキーだったり、スキーをやれば、ああいうふうに笑えるようになるかもしれないと思って、じゃあチェアスキーをやろうと決意をしました。僕がチェアスキーをやろうと決めた次の日から、いつもの退屈なリハビリがチェアスキーをやるためのトレーニングに意識が変わった気がしました」

そしてメキメキと頭角を現し、なんと、長野の次に行われたソルトレークパラリンピックへ。入賞はしたものの、世界との差を痛感した森井選手。メダル獲得へ、ひたすら練習を積み重ねた。結果、トリノで銀、バンクーバーで銀と銅のメダルを獲得。さらには2012年にはワールドカップで総合優勝を果たし、世界のトップに上り詰めた。
森井「激しいトレーニングをすればするほどそれが僕の自信につながって、それがそのまま結果につながっていったような今までの僕のスキー人生を振り返るとそんな感じですね」

そして迎えた、今月初めのジャパンパラアルペンスキー競技大会。平昌を控えた、最後の国内大会。ソチの金メダリスト、鈴木猛史(たけし)選手も参戦。日本のトップ選手が集結。初日は『大回転』。スピードだけでなくターンの技術も求められる、難しい種目。1本目は絶好調な滑りで、2位を2秒以上引き離しての1位。期待がかかる、2本目。1本目と同じく、スタートから快調に飛ばす。しかし、その好調な滑りの影に、思わぬ落とし穴が。アウトリガーを旗門に引っ掛けてしまい、まさかのコースアウト。大回転はリタイアという結果に。1日目。試合後の記者会見では・・・
森井「ご機嫌が悪いです。でも仕方がないです、攻めての失敗なので。自分のなかでタイトに滑ろうと思って、よりそのラインに近づけて滑れたというところでは、失敗のなかに少し救いがある。また明日、その先のレースにつなげていきたいと 思っています」
2日目、『回転』。きのうの大回転以上にターンの技術が要求される。チェアスキーを乗り替え、リベンジに燃える森井選手。1本目。2位を4秒もの大差で引き離し、圧倒的な強さを見せつけ、1位に。2本目も難なく滑り切った森井選手、金メダリスト二人を抑え、堂々の優勝!来月に迫った平昌パラリンピックへ向け、大きく弾みをつけた。

パラスキー界の絶対王者は、心技体。そして道具。すべてを自分の滑りに落とし込む。5度目を数えるパラリンピックで、悲願の金メダルを取るために。
森井「パラリンピック、過去に僕の場合はシルバーメダルしか取ったことがないので、今回の平昌パラリンピックでは今まで取ったことのない金メダルを取れるように頑張りたいと思います」(自信は?)「無いと言えば嘘になります。かといって、あると言えばビッグマウスになるので、控えておきます」

  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
  • ©NTV
BS日テレ