この業界に入ろうと思った理由、動機は何ですか?
もともとテレビっ子だったので、テレビが日常にあって。就職活動も最初は全く業種の違うメーカーなどを見ていたのですが、何かしっくりこなくて。自分の中で改めて、何がしたいのか?みたいなところを見つめ直して、やっぱり憧れていたテレビの仕事を志望するようになりました。
大学時代にマスコミ業界でアルバイトをしたり、大学の講義で学んだりはしたのですか?
全くないですね。やったとすると、文学部の社会学科だったので、マスコミについての勉強みたいなものですね。ラジオ番組をやっている教授のゼミに入っていたので、そういう勉強を少しはしていたかなと思いますけど、ガッツリ何か実際に作業したことはないですね。
今はどういう部署で働いていますか?
編成制作局制作部という、番組を作る部署になります。
現在はどんな番組を手がけていますか?
金曜21時に放送している「ゴルフサバイバル」と、4月にスタートする月曜22時の「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」の2番組をレギュラーでやっています。
他はバラエティ、スポーツ関係なく単発番組を担当しています。
具体的にはどんなお仕事を?
自分の役割はプロデューサーなので、まずは視聴者にどんな番組を届けるのか、どう観てもらいたいのかを一番に考えます。その上でゲストの方を誰にするか、場所はどこで―など番組の骨組みを作ってチームを運営していく事を一番の仕事としています。
ブッキングも担当するのですか?
ケースによりけりですが、自分でやったり制作会社の方にお願いしたり様々ですね。僕も担当して2年になるので、いろいろ知っている人たちも増えてきたので、「あの方、あの事務所さんだったら僕からお伝えします」みたいなやり取りをしています。
入社6年目ですから、その前は別の部署に在籍したのですね?
最初は営業にいました。営業を2年半やっていましたね。
どんなことを担当していたのですか?
営業渉外という、スポンサーさんからCMをいただく最前線の部署にいました。その中で担当が分かれていました。たとえば「あの飲料メーカーさんはあなたです」とか。配属が決まった時に、担当が振り分けられて、「あのスポンサーさんと広告会社さんはあなたですよ」という形でしたね。
会社の外から出る仕事で、人との交流で難しさは感じましたか?
入ってすぐだったので、結構大変でした。2カ月間、研修をして6月1日に配属でした。当然、研修でいろいろ勉強をして、先輩に付いてやってはいたのですが、やっぱり実作業は6月になってからしかできませんでしたね。番組作りも知らない、どうやってタイムテーブルが構成されているかも知らない、会社というものがそもそも分かっていない…そういう自分が営業マンとしてやっていくので最初は少し苦しかったですけど、逆に言うと自分はそれぐらいの方が良くて、やっていく中でスポンサーや広告会社などの取り引き先から会社内部までを知っていけたと思います。
もともと人付き合いとかは得意な方ですか?
得意かどうかは分からないですけど、好きではありますね。全然、苦ではないというか、楽しんでやっていました。
BS日テレで働きたいと思ったきっかけは何だったのですか?
僕は今、仕事でスーツをほとんど着ないのですが、面接でもスーツの方がほとんどいなくて、まず驚きました。面接官はいろんな部署から構成されるのですが、営業の方はスーツ、制作の方はパーカーなどの服装で面接をするので、格好がすごいラフだったのは意外でした。それから人の良さも感じましたし、すごくおもしろいというか、そんな風に面接をしてくれたというのがすごく印象に残っていて。就職の面接ってある程度、固くなるじゃないですか?それが普通だと思うのですが、そうじゃなかったところですごく惹かれましたね。
面接ではどんなことを聞かれましたか?
形式ばった感じではなくて、人を知ろうという視点で、すごく見てくれてるなっていうのは感じました。そういうところが素敵な会社だなと思いました。資料に目を落として、聞いて…ばかりじゃなくて、目を合わせて話をしてくれましたね。その時に本音を引き出してくれたのがうれしく感じて、そういう雰囲気にも惹かれました。
そういった印象は、入社後に変わったりしましたか?
会社ですし、厳しい面は当然ありましたけど、大きくギャップがあったっていうことはないですね。やっぱり人とマンツーマンで話とかをすると、すごく柔らかい人柄が垣間見える時もありますし楽しい人が多いです。
同期は何人いますか?
1人もいなくて、僕だけで。いわゆる同期というものはないですね。
同期がいないと、悩みとか壁にぶつかった時にはどういう人に相談するのですか?
相談に乗ってくれる先輩が多くいましたね。あとは日テレグループでは同期がいたので、今でも一緒にゴルフに行ったり、飲みに行ったりする仲間がいるので、そういう人たちは交流がありますね。同期がいない分、若手というつながりも強いと思うので、そういった意味ではすごくいいんじゃないかなとは思います。
日によって仕事は違うと思いますが、1日の大まかなタイムテーブルを教えて下さい。
新型コロナが拡大してから制作部に異動したのですが、その前は営業だったので、会社に行ったりとか広告会社に行ったり、スポンサーさんのところに行ったりしていました。制作になってからは編集所とか収録スタジオとか、外にいることが多いですね。
朝は何時ごろ始業なのですか?
あまり朝イチから編集やナレーション録りはないので、だいたい昼過ぎぐらいから夜にかけてそういう作業がありますね。なので、朝はデスクワークを10時ぐらいから始めて、メール処理や伝票処理みたいなものをやりながらですね。昼を食べて、編集所に行ってナレーション録りに立ち会ってチェック。そこから時間が空くことが多いので、新しい企画の話をその演出さんとやったり、違う制作会社さんに行って話をしたり。そのうちにミキサーさんと言われる整音担当の方が番組の「音の整理」をしてくれていて、それが18時ごろとかに完成版として上がってくるので、再度、編集所に行って、改めてチェックする。これで放送しますよっていうものを最終確認するのが、よくあるスケジュールですね。
終業時間はだいたいどのくらいなのですか?
そんなに遅くはならないですよ。ただ、遅くに終わる日はだいたい分かっているので、そういう日は中の休憩を多くしたり、始業時間を遅めたりして調整しています。
演出家さんとの打ち合わせは対面で行うのですか?
リモートもありますけど、最近は対面も多くなってきましたね。
ナレーション撮りのチェックなどで、気を付けていることは何ですか?
プロデューサーという立場なので、世に出ていく最後のチェック機能を果たさなければいけない責任があると思っています。例えば使ってはいけない言葉を使っていたり、人の名前を間違えてしまったりとか、テロップの誤表記だったりとか、そういうことは気を付けてやっています。自分が怠ると、それが世に出てしまうので、やりがいでもありますけど、責任感というものを強く持っていますね。
若くして責任を持っていくというのは大変ですね
制作は視聴者に対して責任を負っていく立場で、営業だったらスポンサーさんとか広告会社に対して責任を…ということなので、役割の違いだけで責任というのは変わらないのかなって思いますね。
制作だと土日も関係なく働くのですか?
たまにロケや編集が入ったりしますが、週1レギュラー番組を何本か持ってやっていくスタイルなので、そんなに土日の仕事があるというわけではないですね。我々もそうですし、制作会社の皆さんもそういう制度を取り入れているので、「もう何日徹夜です」みたいなことはほとんどないですね。
お休みの時ってどう過ごしていますか?
スポーツが好きなのでスポーツ観戦ですね。あとはゴルフに行ったり、飲みに行くのも好きです。あと、僕は野球をずっとやっていたので、営業の時に関わった方たちのチームに入っています。土日のどちらかはやる感じだったのですが、冬はなかなかできないので…。あとは散歩ですね。結構、歩いているといろんなことを考えられるので、好きなんですよ。僕はデスクに座って企画考えても、あまりアイデアが出てこないタイプで。何にも出なくて、フラフラ歩いている時におもしろいことが…おもしろくないこともなんですけど(笑)、浮かんでくるタイプなのだと、自分で分かってきましたね。
“withコロナ”の時代、働き方は変わりましたか?
そこまで大きく変わってないですね。もともと外にいる事が多かったですし、リモートも今でもできますし。VTRチェックも会社に来なくてもできるので、移動時間もずっと見られるので、リモートを使いながら、あとは会社で社内の方とコミュニケーションを取れるので、会社にも来てという感じで、いいとこ取りできればと。僕の場合はあまり変わっていないと思います。
最初に営業職、次に制作というキャリアを歩んでいますが、今後のキャリア形成はどうお考えですか?
長期的な目線で言うと、自分は新卒採用なので、いろんな部署を経験して放送局のプロになりたいっていうのはありますね。でも、今はまずは制作プロデューサーとしてしっかり一人前になりたいという気持ちはあります。
どうなったら一人前の証なのでしょうか?
視聴率を取るのもそうですけど、やっぱり制作会社さんや芸能事務所の方としっかりコネクションとかつながりを作って、いい関係を築く。結果的に視聴率を取れる番組をしっかり作っていきたいです。
今後どういう番組に関わっていきたいですか?
もともとスポーツをやっていたので、スポーツ系はやりたいなと思いますが、あまりジャンルを絞らず自分が感じる“面白い”を追求したいと考えています。どういう番組って言われるとすごくぼんやりしちゃうのですが、小さい頃から好きな番組があって、毎週土曜日の夜8時、9時はテレビの前、みたいな習慣があったりしたので、そういう人の心に残る番組を作れたらいいなと思います。
取材日2023年2月