放送内容

第3話  感染症(C型肝炎、HIV)と新薬

2016年01月24日 初回放送

<今回のテーマ>

医療の世界は急速に進化を遂げていますが、いまなお私たちを脅かすもの「感染症」。
中でも日本人にとってC型肝炎は感染者が100万人以上もいる深刻な病。
しかし今、ある新薬が治療を大きく変え始めています。その開発に貢献したのは日本人研究者でした。
さらに、かつては“死の病”と言われたHIV、エイズにも希望の光が差しています。
人類と感染症との闘いは新たなステージへ!C型肝炎、HIVなどの感染症に挑む医療の最前線に迫ります。

<C型肝炎とは>

世界に5億人以上いると言われている肝炎ウイルスの感染者。
そのうち半分以上がアジアに集中していると言われています。
主に水や食べ物を介して感染するのがA型、E型。血液を介して感染するのがB型、C型、D型。
日本人に最も多いのが「C型肝炎ウイルス」の感染。国内の感染者は推定100万人から150万人。
治療をしないと2~30年の長い時間をかけて肝硬変になり、肝臓がんになってしまうことも。

<C型肝炎の治療とは>

広く使われている有効な治療法「インターフェロン療法」。
ウイルスを排除してくれるたんぱく質を体内に注射で入れて補うという治療。
人によっては、つらい発熱や倦怠感などの副作用がでてしまうことがある。

<C型肝炎の新薬>

2015年に保険適用になったC型肝炎ウイルスの新薬・DAA(ディーエーエー)。
その誕生に大きく貢献したのは日本人研究者の溝上雅史先生。
世界およそ60か国から感染者の血液を3000人分以上集め、肝炎ウイルスの遺伝子配列を解明してデータベース化。
新薬・DAAは、遺伝子を鎖のように連結して増殖していくC型肝炎ウイルスを阻止する新しいしくみのくすりです。

<エイズとは>

エイズを引き起こしているのがHIVというウイルス。HIVに感染した人のことをHIV感染者。
それが進行して重症になったときにエイズといいます。

<HIVの治療薬>

1987年、世界初のHIV治療薬「AZT」を開発したのは日本人医師の満屋裕明先生。
1995年、ウイルスの培養技術によりくすりの試験が行われ、次々に新薬が誕生。
これら複数のくすりを併用する「カクテル療法」が現在主流の治療法。
現在は配合剤が登場し、1日1回1錠で済むようになり、患者の負担も軽減しました。

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出演者

国立国際医療研究センター
国府台病院 消化器・肝臓内科
是永 匡紹(これなが まさあき)医長
国立国際医療研究センター
国府台病院 肝炎・免疫研究センター
溝上 雅史(みぞかみ まさし)センター長
国立国際医療研究センター
エイズ治療・研究開発センター
岡 慎一(おか しんいち)センター長
BS日テレ 医進薬新 夢のメディ神殿2016スペシャル