放送ラインナップ

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#375 東京国立近代美術館「あやしい絵」展 
〜神秘・退廃・グロテスク…蕭白から松園まで、名画で辿る”あやしい”の系譜〜
2021年04月06日 初回放送
思わず引き込まれる"あやしい絵”、その魅力

今回は、竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「あやしい絵」展へ。幕末から昭和初期にかけて作られた、様々な”あやしい”魅力の詰まった絵画や版画、挿絵など、約160点を集めたユニークな展覧会です。
幕末の激動の時代、相次ぐ改革や震災に苦しむ人々は、日々の不安を忘れられるような、奇抜でグロテスクな浮世絵や見世物に夢中になります。明治に入り、西洋の知識や技術が入ってくると、画家たちはそこから新たな表現を吸収し、独自の世界を追求し始めます。白馬会で活躍した洋画家・藤島武二も、アール・ヌーヴォー調の作品や、世紀末絵画から刺激を受けた”ファム・ファタール”的な女性像に取り組みます。
さらに大正期の京都では、日本画家の甲斐庄楠音や稲垣仲静らが、西洋画の陰影法や写実性を取り入れた、ギョッとするほど生々しい美人画を描き、画壇の注目を集めるのです。中でも見どころは、江戸中期の奇想の画家・曾我蕭白と、明治から昭和まで活躍した上村松園による美人画の競演。”恨み”や”妬み”の表現は、200年の時を超えどう変化したのか? 
神秘的、エロティック、退廃的、グロテスク…一度見たら忘れられない、”あやしい”表現に潜む、秘密と魅力を紐解きます。

らぶらぶ美術館

「あやしい」は漢字を当てると、怪しい、妖しい、奇しいと、微妙に違う意味が付与されます。人魚というモチーフひとつをとっても、江戸時代の日本の人魚と、西洋文化を受け入れた、人を魅惑する存在としてのそれとは違います。ビアズリーの『サロメ』の挿絵は、著者オスカー・ワイルドに言わせると「日本的」だそうです。西洋と日本が互いに影響を与え合っていることもよくわかる展覧会でした。

今回のおすすめミュージアムグッズ

「冬蟲夏草」靴下
田中恭吉が描いた「冬蟲夏草」をモチーフにした展覧会オリジナルの靴下。黄色のアクセントがオシャレです。足元から生える「冬蟲夏草」で足元から「映え」を目指してみては。

information

東京国立近代美術館 
あやしい絵展
2021年5月16日(日)まで
  • 開館時間
    9:30~17:00(金・土曜は20:00まで)
    ※入館は閉館30分前まで
     
  • 休館日
    月曜日(ただし5月3日は開館)、5月6日(木)
     
    • 観覧料
      一般:1800円
      大学生:1200円
      高校生:700円
      ※中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料
       入館の際、学生証等の年齢のわかるもの
       障がい者手帳等をご提示ください
      ※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」もご覧いただけます
      ※美術館窓口で当日券を販売しておりますが会場の混雑状況によっては入場までにお待ちいただく場合がございます。オンライン予約優先チケット(日時指定券)購入を推奨します
      ※詳しくは展覧会HPをご覧下さい
       
  • 場所
    東京都千代田区北の丸公園3-1
     
  • 電話
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
     
美術館の春まつり
  • 開場時間
    2021年4月11日(日)まで
    10:00~17:00
    ※金・土曜は20:00まで
    ※入館は閉館の30分前まで
     
  • 休館日
    月曜日
     
  • 観覧料
    所蔵作品展「MOMATコレクション」チケット、 または「あやしい絵展」チケットでご覧いただけます
     
  • 場所
    東京都千代田区北の丸公園3-1
     
  • 電話
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
     
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