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今回は、竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「あやしい絵」展へ。幕末から昭和初期にかけて作られた、様々な”あやしい”魅力の詰まった絵画や版画、挿絵など、約160点を集めたユニークな展覧会です。
幕末の激動の時代、相次ぐ改革や震災に苦しむ人々は、日々の不安を忘れられるような、奇抜でグロテスクな浮世絵や見世物に夢中になります。明治に入り、西洋の知識や技術が入ってくると、画家たちはそこから新たな表現を吸収し、独自の世界を追求し始めます。白馬会で活躍した洋画家・藤島武二も、アール・ヌーヴォー調の作品や、世紀末絵画から刺激を受けた”ファム・ファタール”的な女性像に取り組みます。
さらに大正期の京都では、日本画家の甲斐庄楠音や稲垣仲静らが、西洋画の陰影法や写実性を取り入れた、ギョッとするほど生々しい美人画を描き、画壇の注目を集めるのです。中でも見どころは、江戸中期の奇想の画家・曾我蕭白と、明治から昭和まで活躍した上村松園による美人画の競演。”恨み”や”妬み”の表現は、200年の時を超えどう変化したのか?
神秘的、エロティック、退廃的、グロテスク…一度見たら忘れられない、”あやしい”表現に潜む、秘密と魅力を紐解きます。
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