放送内容

2010年9月14日、9月28日放送

 
#10

秋の世田谷美術館巡り
〜ゴッホ、ピカソらの名画と向井潤吉のアトリエ探訪〜

今回は世田谷区・砧公園の一角にある世田谷美術館を中心にハシゴします。

まず最初は、世田谷美術館・本館で開催中の「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展を、そして、ちょっと足を伸ばして、世田谷美術館の分館である「向井潤吉アトリエ館」をぶらぶらします。

ヴィンタートゥールとは?

ヴィンタートゥールとは、スイスの一都市の名前。
フランスのルーブル美術館などヨーロッパの大きな美術館は、王侯貴族のコレクションが元になっています。しかし、王室を持たず、世界中からお金持ちが集まる国・スイスでは、資産家たちのコレクションで美術館が成り立っているんです。なかなかいい物が揃ってるので、スイスの資産家たちの目利きっぷりもわかりますよ!

“ルノワール”な女性って?

今回展示されているのは、ゴッホ・モネ・ピカソなど巨匠達の作品がズラーリ。しかも全て日本初公開です。その中でも、ぶらぶら的に注目なのは、「ルノアール」!!

ルノアールと言えば、印象派の画家のひとりとして何度もご紹介してきましたね。しかし、ルノアール自身は、年をとるにつれて印象派的な作風から離れていき、自分が美しいと感じたものをキレイに描く「真珠色の時代」に入って行くのです。
その頃よく描いていたのは、たっぷりと丸みを帯びた“豊満な女性”。今回は、珍しく彫刻も展示されていますが、こちらもやはり“豊満な女性”です。

矢作さん曰く「男は年とると豊満な女性が好きになる」・・・みなさんは、いかがですか?

大人気!ルソーの赤ん坊

五郎さんが「パリの蛭子能収さん」と評したルソー。ぶらぶら出演者たちもお気に入りの作家です。
今回来日したルソー作品は「赤ん坊のお祝い!」と題した絵画。赤ちゃんなのにけわしいしかめっ面・・・という、インパクト満点の名作です。
どこか変なのに、妙に癒される味わい深い素朴派・ルソーの絵。この絵をモチーフにしたグッズは、ミュージアムショップの目玉商品にもなっているんですよ。

“日本のコロー” 向井潤吉の風景画

続いては、世田谷美術館の分館「向井潤吉アトリエ館」。

戦後、日本中を回ってかやぶき屋根の民家を描きつづけた向井潤吉。「民家の向井」と呼ばれるほどに、彼の民家を描いた風景画は有名です。

住宅街の中にひっそりと立つ一軒家の美術館は、もともと向井潤吉の自宅兼アトリエだった場所。最近では穴場デートスポットとしても人気があるんだそうです。

画家はどうやって絵の勉強をするか?

今、向井潤吉アトリエ館で展示されているのは、昭和初期に絵の修行のためパリに渡り、ルーブル美術館で模写した名画の数々です。

ルーブル美術館では、今も昔も、許可さえ取れば誰でも名画の模写が出来るんです(しかも開館中に!)。多くの画家達も向井潤吉と同じように、模写を通して絵の技法や構図、はたまた画材の特性などを学んできたのでしょう。

ルーブル美術館で数々の名画を模写した向井潤吉ですが、中でもバルビゾン派の風景画家・コローの作品の模写を最も多く手掛けているのだとか。
実は、友人のために「コローっぽい絵」を描いて贈ったり、自分の絵を飾っておく蔵を「胡老軒(コローけん)」(現在の展示室)と名付けたりするほどの「コローおたく」だった向井潤吉。

コローも田舎の風景をこよなく愛した画家ですから、きっと“民家の向井”の原点なのでしょうね。

 
相沢紗世のラブ♥ラブ♥美術・博物館

向井さんの風景画にはとっても感動しました!日本の画家の作品といえば、屏風や掛け軸などに描かれた「ザ・日本画」というイメージでしたが、日本の洋画も新鮮で、とってもステキですね!

今回のおすすめミュージアムグッズ

ルソーグッズと向井潤吉作品のジグソーパズル

本館のおすすめは、やはりルソーグッズ。「赤ん坊のお祝い!」にちなんだ金太郎飴やクッキー缶は秀逸です。分館のおすすめは、向井潤吉作品のジグソーパズル。繊細な風景画をパズルで楽しんでみては?

 

Information

世田谷美術館
「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール
スイス発―知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂」

2010年10月11日(月・祝)まで開催中

開館時間 午前10時〜午後6時
入館は閉館30分前まで
休館日 月曜日(ただし9月20日と10月11日は開館、9月21日は休館)
入館料 一般1,300(1,100/1,000)円
65歳以上/大高生1,100(900/800)円
中小生600(500/400)円
※( )内は 前売り料金/20名以上の団体料金

※障害者の方は、当館受付にて手帳ご掲示で以下の観覧料となります
 障害者(一般、65歳以上)当日600円(前売り500/団体400)円
 障害者(小・中・高・大学生)無料
     介助の方(障害のある方1名につき1名無料)
場所 東京都世田谷区砧公園1−2
東急田園都市線「用賀」駅〜
美術館行きバス「美術館」下車 徒歩3分
電話 03−5777−8600(ハローダイヤル)

世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館
「向井潤吉とルーブル美術館 その滞欧作の魅力」

2010年11月28日(日)まで開催中

開館時間 午前10時〜午後6時 (入館は午後5時30分まで)
休館日 毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日)
年末・年始(12月29日から1月3日まで)
展示替期間(2010年11月29日から2010年12月3日)
入館料 一般・・・200円(160円)
高校・大学生・・・150円(120円)
小学・中学生・・・100円(80円)
65歳以上及び障害者の方・・・100円(80円)
※( )内は20名以上の団体料金
※小学・中学生は、土・日・祝休日・夏休み期間は無料
※学生証・障害者手帳など、確認出来るものを掲示
※障害者(大学生以下)と介助の方(障害者の方1名につき1名)は無料
場所 東京都世田谷区弦巻2−5−1
東急田園都市線「駒沢大学」駅西口下車 徒歩10分
電話 03−5450−9581 
 

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