放送内容

2010年6月8日、6月15日初回放送

 
#5

箱根八里でぶらぶらアート旅〜巨匠たちの野外彫刻と名画〜

今回訪れるのは、歴史も自然も豊かなリゾート地・箱根。箱根には、大小さまざまな美術館があり、関東屈指のアートの街でもあるんです。
その中でも巨匠たちの作品が揃う「箱根 彫刻の森美術館」と、膨大な絵画のコレクションを誇る「ポーラ美術館」の二大美術館をぶらぶらします。

箱根 彫刻の森美術館

1969年に日本で初めて出来た野外美術館「箱根 彫刻の森美術館」。(ちなみに、世界でもベルギーにあるミデルハイム野外美術館についで2番目です)

室内展示とは違って、ここでは彫刻の背景にある箱根の大自然も含めて「ひとつの作品」として楽しむのがポイントなんです。

彫刻の見方

彫刻の森美術館のベテラン学芸員・与田さん曰く、「彫刻は1か所からではなく、いろんな角度から見て楽しむべし」。
何となく、作品名のプレートや、説明書きがあるところから見るのが正しいのかな?なんて思っていましたが、見る角度を変えれば作品の形も変わるし背景も変わる。それらもすべて計算して作られているのが立体芸術作品「彫刻」なんですね。
ちなみに、鏡のような素材で出来ているものは、作品に写りこんでいる周りの景色や見ている私たちも作品の一部、というわけなんです。

恐るべし天才・ピカソ

ピカソと言えば、たびたび作風が変わった芸術家ですが、そのきっかけ、実は「女性」。付き合う女性が変わるたびに作風が変わっていったのです。それが実感できるのが、彫刻の森美術館に併設されたピカソ館。

ピカソの名(迷?)言に「女性は女神かドアマットのどちらかだ」というものがあります。つまり、好きになった女性は新たな作品のインスピレーションを与えてくれる「女神」。でも、飽きてしまったら「ドアマット」のように踏みつけるものだ、と・・・。
うっかりピカソに近づくと火傷だけじゃ済みません!天才は「ちょっと遠くから見てるだけ」が一番なのかもしれませんね。

名画の宝庫・ポーラ美術館

森の中にひっそりたたずむポーラ美術館。こちらの収蔵点数はなんと9500点!
西洋絵画だけでも400点、人気の印象派の作品もたくさんあるんです。

19世紀は西洋絵画 激動の時代

さて、名画を順番に見て行くだけで、西洋絵画がどのように発展してきたか、その歴史が分かってしまうこちらのコーナー。

産業革命が起き、写真が登場するなど、環境が劇的に変化した19世紀のフランス。その時代を生きた画家たちの作品が並んでいます。美術アカデミーの重鎮で「新古典主義」のアングル。それと対立し、乗り越えようとした「ロマン主義」のドラクロワ。理想ではなく、ありのままを描く「写実主義」のクールベ。田舎に住み、自然の光の中で描いた「バルビゾン派」のコロー。
アトリエにこもって理想を描いていくスタイルから、外の世界へ飛び出して現実を描き出そうというスタイルに、ごく短い期間の中で変化していったことが、展示を見ていくとわかってしまうんですね。そして、この流れが、おなじみ「印象派」の絵画へとつながっていくのです。

モネを変えた画家ブーダン

この番組でたびたび紹介している印象派。その代表といえば、光と影を描く事に生涯をかけたミスター印象派・モネですよね。
そのモネに大きな影響を与えたのがウジェーヌ・ブーダンと言う画家です。日本ではあまり知られていませんが、フランス・ノルマンディー地方の港町ル・アーブルで育った彼は、明るい陽光ときらめく海を描くのが得意でした。
ブーダンは、出会ったモネに対し、「外に出て、外の光で描かなあかんよ!」と教えたのです。風景画でもアトリエの中で書くのが普通だった当時、モネにとってはかなり新鮮で衝撃的なな考え方だったことでしょう。
モネが「印象派」と呼ばれる以前の作品を見ると、ブーダンの影響が見てとれます。彼との出会いがなかったら、名画「睡蓮」も生まれていなかったかもしれませんね。つまり、ブーダンは、おなじみマネと並んで、隠れ「印象派の父」なのです。

 
相沢紗世のラブ♥ラブ♥美術・博物館

モネの絵はこれまでに何点も見てきましたけど、出会うたびに感動が増してきます。なんだか親しい人にまた会えたみたいな感じ。
矢作さんも言ってましたが「モネを見て、“良いですね〜これ”なんて言ってる自分が時々怖くなる」・・・なんてね。

今回のおすすめミュージアムグッズ

「睡蓮」の花をかぶったキューピーストラップは、山田五郎さんもお気に入り!(キューピーつながり?)
そして「睡蓮」がプリントされた傘。ちゃーんと中からも見えます。名画と一緒に暮らせるなんてぜいたくですね!

 

Information

箱根 彫刻の森美術館

開催期間 9時〜17時(入館は閉館の30分前まで)
休館日 年中無休
入場料 大人1,600円 シニア(65歳以上)1,100円 
大学生・高校生1,100円 中学生・小学生800円
(毎週土曜日はファミリー優待日 / 保護者1 名様につき中学生・小学生5 名様まで無料。)
場所 神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平 1121
箱根登山電車「彫刻の森」駅下車、徒歩2分
お問い合わせ 0460-82-1161 

ポーラ美術館

開催時間 9時〜17時(入館は16時30分まで)
休館日 年中無休(※ただし展示替えのため臨時休館あり/要確認)
入場料 大人1,800円 シニア(65歳以上)1,600円
大学生・高校生1,300円 中学生・小学生(土曜無料)700円
場所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
箱根登山電車「強羅駅」下車後、
箱根観光施設めぐりバスにて約3分「ポーラ美術館」下車
お問い合わせ 0460-84-2111 
 

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