ロンドンオリンピック女子マラソン日本代表尾崎好美

ロンドンオリンピックの注目競技、女子マラソン。
バルセロナ、アトランタで連続メダル獲得の有森裕子。
シドニーで金メダルの高橋尚子。
高橋に続きアテネで金の野口みずき。
いつしか世界は、日本を「女子マラソン王国」と呼ぶようになっていました。

現在日本代表の中で最もメダルに近いと言われるランナー、尾崎好美選手。
世界選手権で銀メダルを獲得している尾崎選手ですが、
彼女は決してエリートランナーではありませんでした。
神奈川県足柄上郡。大部分を丹沢山地が占める自然豊かな街で尾崎選手は育ちました。
バスケットボール部に所属していた中学3年のとき、
アトランタ五輪でメダルを獲得した有森裕子さんの走りに衝撃を受け、高校では陸上部へ。
友人が止めるまでは決して自分も練習を止めない”負けず嫌い”な一面はあったものの、
高校時代は目立った成績を残していません。

卒業後はバルセロナ五輪4位入賞の山下監督率いる第一生命陸上部へ。
しかしここでも貧血や疲労骨折が原因で思うように練習が出来ず、
なかなかマラソンに挑戦出来ないまま月日は過ぎていきます。
通常ケガなどが続くと、それが原因で心が折れてしまう悪循環が生まれるといいますが、
尾崎選手にはそれがありませんでした。
尾崎選手の”折れない心”に気がついた山下監督、
「この子ならオリンピックを狙える」と思い始めました。
こうしてオリンピックを目指した二人三脚はスタートしたのです。