バックナンバー

#72

初回放送:2023年11月26日(日)22:00〜22:54

キャスト

ナレーター(N) / ちふゆ(ネクシード)

マルタ・ブラゼヴィッチ / 早瀬 水音(アンドピクセル)
ヴェドラン・スリイェプチェヴィッチ / 松 蔵之助(maximum)
オール・アンダース / 小野寺悠貴(ケンユウオフィス)
リリ・ミッデルホフ / 夏 葵(ネクシード)

放送内容

長い間、ヨーロッパのオオヤマネコは、ほぼ絶滅状態にありました。森が減り、オオヤマネコと彼らの獲物のすみかが消えましたが、再び、数が戻りつつあります。オオヤマネコは単独で狩りをします。それぞれが広大ななわばりを持ち、夜は広範囲を移動し昼間は森の中で休みます。目はかすかな光でもよく見え、夕暮れでも方向を見失いません。夜間の視力は人間の6倍。300メートル先のウサギも見えます。獲物の居場所は音でつかみます。耳の上にある毛がアンテナのように機能するのです。60メートル先の草むらにいるネズミの音を聞き分けます。

クロアチアの内陸と地中海沿岸とを結ぶ位置にあるゴルスキコタルの高原は手つかずの自然が残る数少ない場所です。山岳地帯にあるリスニャク国立公園はオオヤマネコにとって最後の避難所です。オオヤマネコは現在クロアチアに40~60匹ほどいます。ひと月前からこの辺りをうろついているオスのボリスはスロベニアの取り組みで野生に放たれた1匹です。国境を越えてクロアチアでなわばりを作ろうとしています。オオヤマネコの数を増やす国際的な取り組みの一環で、来年にはカルパチア山脈から新たな個体がやって来る予定です。

ドイツのハルツ国立公園では1990年からオオヤマネコを復活させる大規模なプログラムが実施されており、現在55匹が生息しています。観察センターは野生復帰プログラムのために設置されました。オオヤマネコをここから初めて野生に復帰させたのは20年前。動物園で繁殖された子でした。新しい環境に慣らすため、野生に返す前にこの広い施設で過ごします。

シェア
LINE