#74
初回放送:2023年12月10日(日)22:00〜22:54
キャスト
ナレーター(N) / ちふゆ(ネクシード)
アルミン・コブス / 上住谷 崇(プランダス)
ラーズ・ティーレマン / 赤坂 柾之(ネクシード)
ヴェロニカ・ブラウニッシュ / 大﨑 陽香(ネクシード)
エリック・リンガビー / 露崎 亘(ケンユウオフィス)
放送内容
ヨーロッパオオライチョウは何千年にもわたって森林に生息しています。オスは体高1メートルにもなり、ヨーロッパ最大級の鳥です。すばらしく視力のいい大きな眼で天敵を見張り、寿命は10年ほどです。
ポーランド、マズーリ地方は深い森に囲まれていますが、そうした環境でも野生のヨーロッパオオライチョウは絶滅しました。そこでできたのが繁殖プログラムで、ここではスウェーデンで保護された卵をメンドリに与えて養母として育てさせるという珍しい繁殖方法を採用しています。
ドイツではヨーロッパオオライチョウの生息地が急速に姿を消しています。農業と林業、道路などにより森が分断化され、わずかな個体群しか残っていません。その生息地のひとつがシュヴァルツヴァルト。ドイツ最大の低山地帯で、数百年前は、数千羽のヨーロッパオオライチョウが生息していましたが、林業と気候変動が森林の構成と生態系を変えてしまいました。地元の森林委員会のメンバーはこの希少な鳥を救おうとしています。
ドイツ、ブランデンブルク州のニーダーラウジッツには90年代までヨーロッパオオライチョウがいましたが、石炭の採掘で生息地は壊滅しました。古い鉱山を再び自然の姿に戻す再野生化プロジェクトで息を吹き返し再び森林となったこの地は、オオカミや昆虫、ランの花といった希少種の保護地域となっています。オオライチョウの再導入プロジェクトは自然公園で10年以上実施され、毎年スウェーデンで見つけたヒナを公園に再導入しています。