#76
初回放送:2023年12月24日(日)22:00〜22:54
キャスト
ナレーター(N) / ちふゆ(ネクシード)
トルド・ブレッテン / 斉藤 優希(プランダス)
イーダ・ナスランド / 早瀬 水音(アンドピクセル)
フローリス・スミーツ / 金城 大和(ステイラック)
エリン・ブレッテン / 梅子サヲリ(ネクシード)
放送内容
氷河期後にヨーロッパで絶滅したジャコウウシが再び北欧にすみついています。しかしこの大型哺乳類は生息地の安定を欠いた困難な状況と戦っています。ジャコウウシという名前はオスが発情期に分泌する匂いに由来します。香水の原料になるジャコウジカの匂いに似ているのです。たてがみのような長い毛が特徴で、成長したオスは体重400キロ前後、走る速さは最高時速60キロです。
スウェーデンのヘリエダーレンはノルウェーとの国境にある人口の少ない州です。1970年代にノルウェーにいたジャコウウシの小さな群れがこの地に住み着きました。森の奥深くは保護センターになっており16ヘクタールの広さにジャコウウシ7頭が暮らしています。センターは観光客にも開放されていますが、主に繁殖のために使われています。若い個体は野生に放たれ野生の群れの遺伝的多様性を高めるのに貢献します。
ノルウェーの環境庁に勤務するトルドは国立公園にいるジャコウウシの責任者です。年に2回、山をくまなく歩き回りジャコウウシの数を調査しています。例年はメス10頭のうち6頭が子供を生みます。個体数を知ることはとても重要です。
ジャコウウシは分厚い綿毛のおかげで氷河期も生き延びることができました。春になって気温が上がってくると大量の汗をかき始め綿毛が抜け落ちツグミやホオジロなど多くの鳴禽類がこの綿毛を使って巣を暖めます。教員を定年退職したエリンも綿毛を集めます。大自然の中の小さな農場で家族と暮らす彼女はジャコウウシから抜け落ちた綿毛を使い自宅でウールの加工をしています。