2016年3月31日 初回放送
今回はフランス南東部。
アルプスの恵みで輝くローヌ・アルプの町々を訪ねます。
大都市、リヨン。リヨンの街の歴史は、古代ローマの植民地として建設された
紀元前にまで遡ります。ローマ時代から中世にかけて
ヨーロッパ大陸有数の交易地として発展しました。
紀元前一世紀にローマ人が街を築く前は古代ケルト人の集落があったという
ソーヌ川のほとり。
高台のフルビエールの丘は、リヨン発祥の地と言われています。
丘の上からは街のシンボルであるフルビエール大聖堂が市民の暮らしを見守っています。
大聖堂が建てられたのは1896年。
建築費用は全て市民の寄付でまかなわれたといいます。
リヨンから北へおよそ50キロメートル。
フランスを代表するワインの産地、ボジョレーがあります。
中央高地に広がる丘陵地域に位置する町で、
日本ではボジョレー・ヌーボーの産地として知られています。
高原の強い日差しを受けて育ったボジョレーのブドウは、
一粒一粒に味と香りが凝縮されています。
実に2000年もの歴史を持つというボジョレーワイン。
その一滴一滴に、太陽と大地の恵み、そして人々の情熱が詰まっています。
リヨンから東へおよそ140キロメートル。
中世の佇まいを残す町があります。アヌシーです。
町の人口はおよそ5万人。アヌシーは、その自然と町並みの美しさから
フランス人が最も住みたい町のひとつに選ばれています。
アヌシーは、アルプスの雪解け水をたたえるアヌシー湖の湖畔の町です。
静かな入り江の奥には、200年以上の歴史を誇るホテルがあります。
ラベイ・ド・タロワールです。17世紀の修道院を利用した施設で、
これまでにアメリカのニクソン元大統領や俳優のジャン・レノなど
世界のセレブも数多く宿泊しています。
湖畔の町アヌシーから東へおよそ100キロメートル。
アルプス山脈の麓に位置するシャモニーは、
モンブランの玄関口であり登山家の聖地と言われています。
また1924年に第1回大会の冬季オリンピックが開かれた場所としても知られています。
現在は世界有数のスキーリゾートとしても知られ、
シーズン中は多くの観光客で賑わっています。
シャモニーの町を天空から見下ろすように、
背後にそびえる4000メートル級のアルプス山脈。
かつて人類の侵入を拒み続け多くの登山家の命を奪ってきた神々の領域です。
かつての未踏峰に、今では誰でもロープウェイで向かうことができます。
シャモニーからは2つのロープウェイを乗り継げば、
エギュイーユ・デュ・ミディの展望台でモンブランを間近に見ることができます。
ロープウェイを降りて、さらに上にある展望台までエレベーターでのぼります。
展望台の標高は、日本の富士山を越える3842メートル。
天空の舞台からは、アルプスの山々を360度見渡すことができます。
ここでは、アルプスの雄大さとそこに挑んだ登山家たちの、勇気や情熱を再確認できます。