2015年11月12日 初回放送
フランス西海岸。
海に浮かぶ巡礼の地、モン・サン・ミッシェル。
自然と信仰、芸術そして叡智が結集した建物はその存在自体が西洋の脅威と讃えられています。
今回は聖地モン・サン・ミッシェルの奇跡の絶景を求めてノルマンディーの町々を列車で旅します。
旅の始まりはフランス、パリ市内の北側に位置するサン・ラザール駅。
一年を通して華やぐ永遠の都から旅を始めます。
パリの人口230万人に対し
1年間で1億人以上が利用すると言われる主要駅の一つです。
歴史も古く1837年に開業しています。
パリを出発しておよそ50分。
ベルノン・ジベルニー駅に降りて観光客が向かうのは
ジベルニーという小さな村。
ここは印象派の巨匠、クロード・モネが愛した村として知られています。
モネの面影を求めて年間およそ70万人の観光客が訪れます。
村の一角にモネがおよそ40年間暮らした家が残されており、
芸術家としてのモネのインスピレーションの源になったと言われる
美しい花々の庭園が訪れる人々を癒しています。
モネの家の真向かいで営業するレストラン、レ・ナンフェアでは
当時モネが作ったレシピを基にした料理を提供しています。
モネがこよなく愛したという鴨肉とカブの煮込みは観光客からも大人気です。
ジベルニーから北西におよそ60キロ。
ノルマンディー地方の中心都市とされるルーアンの町に到着します。
この街は14世紀の百年戦争でフランス軍を率いた少女ジャンヌ・ダルクの終焉の地としても知られています。
街のシンボルともいえるルーアン大聖堂。
初期のゴシック建築の最高傑作の1つに数えられます。
火災や戦争で何度も大きく損傷しながらもその度に人々の献身的な修復作業をうけ21世紀の現代へ受け継がれてきた大聖堂。その神々しい空気には
人々の数百年分の思いが詰まっています。
モン・サン・ミッシェルは
イギリス海峡の湾内に浮かぶ小さな島に建てられた修道院です。
年間300万もの人が訪れるフランス有数の観光地。
1979年に世界遺産に登録されました。
「陸でありながら陸ではなく海でありながら海ではない」と語られる巡礼の島は
1年に数回だけ、海に浮かぶ奇跡の絶景を見せてくれます。
その奇跡の絶景を見せてくれるのは、春と秋の大潮の日。
海に浮かぶ孤島と化した聖地モン・サン・ミッシェルの姿。
それは中世の人々が畏れ、敬った姿そのものです。