2015年8月26日 初回放送
ハワイのもうひとつの魅力を求めてマウイ島とカウアイ島を旅します。
最初に訪れるマウイ島はおもに6つの島からなるハワイの中で2番目に大きな島。その観光の中心地が港町ラハイナです。かつては捕鯨の基地でしたが現在はワイキキと並ぶ屈指のリゾート地として知られています。
町の目抜き通りに面して19世紀のマウイの歴史にその名を残すキリスト教宣教師の邸宅「ボールドウィン・ホーム」があります。医師でもあったボールドウィンの自宅は教会のほか診療所も兼ね、室内には当時の医療器具が展示されています。1853年ハワイ全土で天然痘が大流行した際マウイの住民にいち早くワクチンを投与し多くの住民の命を救ったのがボールドウィンでした。
マウイ島東部に標高3055mの火山、ハレアカラがあります。
ハレアカラはハワイ語で「太陽の家」を意味します。ハレアカラの山頂一帯は「ハレアカラ国立公園」に指定され年間145万人の観光客が訪れます。夜明けと日没の光景は荘厳で神々しい一瞬を体験できます。
頂上に広がるクレーターは円周約33㎞で深さは約900mあります。
月面を思わせるクレーターは1968年公開の映画「2001年宇宙の旅」のロケ地としても知られます。また荒涼とした山頂付近には葉が銀色に輝く「銀剣草」という高山植物が自生しています。この植物はヒマラヤの他このハレアカラとハワイ島のマウナケア山でしか見ることが出来ないとされる、珍しい植物です。
ハレアカラの山麓地帯は「アップカントリー」と呼ばれる高原地帯で今、注目されるマウイ農業の中心地です。花の栽培も盛んで、この時期はラベンダーの花が山肌を紫に染めています。
そのアップカントリーにラハイナ市内の人気レストラン「パシフィコ」が運営する農園レストランがあります。「Ooファーム」です。無農薬で栽培している野菜は約70種類。コーヒーや卵も自家生産しています。
自然の中でオーガニックな野菜を味わえるとあって常に予約で一杯です。コースの中には収穫体験や野菜の解説も含まれています。とれたての野菜と一緒に味わうのは自家製のオーブンでローストした鶏肉や自家製豆腐、そして近海で水揚げされた魚です。マウイ島の高原の青空の下、究極のとれたて料理を楽しめます。
アップカントリーには多くの牧場が点在しています。こうした牧場で馬に乗り牛を追う仕事にあたるのが「パニオロ」と呼ばれるハワイのカウボーイです。
そんなパニオロたちが集う、牧場地帯の町がマカワオです。木造の家々が並び、まるで西部劇の舞台のような町は「パニオロ・タウン」とも呼ばれています。
この町でアメリカの独立記念日を祝う、パニオロたちのパレードとロデオ大会と出会いました。ロデオ会場周辺には露店も出て住民たちは1日中ロデオを楽しみます。牛につけたリボンを馬上から取る早さを競う競技や投げ縄で牛を捕まえて倒し、足を縛りつけるまでのタイムを競う競技が行われました。
つづいて水と緑に恵まれ、「庭園の島」と呼ばれるカウアイ島を訪ねます。
大きさはオアフ島に次いで4番目。ハワイ諸島で最初に生まれた島です。
島を流れるワイルア川の河口からは観光スポット「シダの洞窟」への観光船が発着しています。洞窟までは約30分。途中、船内では「フラ」のショーが披露されます。桟橋から熱帯の樹木に覆われた小道を5分ほど歩くと洞窟に到着します。「シダの洞窟」はかつて王族しか立ち入れない聖地でした。
この場所で恋人同士が手をつなぐと永遠に結ばれるという伝説があり結婚式を挙げるカップルも少なくありません。
ワイルア川はまたカヤックが楽しめるスポットとして人気です。
川をさかのぼるカヤックツアーは講習を受ければ誰でも簡単に参加できます。
ジャングルを歩いて滝を目指すコースもあります。
冒険気分を味わいながら2㎞ほど歩くと「シークレット・フォールズ」に到着します。水しぶきをあげて落ちる滝。カウアイ島は豊かな水の島です。
海にも人気のツアーがあります。「ナ・パリ・コースト・クルーズ」です。
カウアイ島の断崖絶壁が「ナ・パリ・コースト」。大量の雨と太平洋の荒波に削られた自然の彫刻です。イギリス人探検家ジェームス・クック船長がヨーロッパ人として初めて発見して約240年、ハワイは訪れる度ごとに違う顔を見せてくれます。