ストロングポイント

毎週日曜 18:00~18:30放送

放送内容

第61回 車いすフェンシング 安 直樹

2017年04月15日 放送

車いすフェンシング全日本選手権2連覇、日本ランキング1位に君臨する安直樹選手。実は車椅子バスケットボールの第一線で活躍してきたトップアスリート。フェンシングに転向後も、バスケ時代の筋力を活かしたパワープレーを見せ、今さらに新たなスタイルへ…。世界を目指す安選手のストロングポイントに迫る!

車椅子フェンシングは、車椅子を固定した状態で剣を突き合いポイントを競う。わずか数秒の間に繰り広げられる激しい攻防で勝負が決まるスリリングな競技だ。使用する剣の種類によって、「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3つの種目に分かれ、ポイントの取り方と有効部分も変わる。フルーレとエペは、剣の先端に装置がついており、有効部分を500グラム以上の力で突くとポイントとなる。試合は、制限時間内に指定ポイントを先取した方の勝ち。また、腹筋の機能(自力で体勢を維持できるか)で、A・Bのクラス分けがある。安選手が得意としているのはフルーレだ。

14歳の時、病気のために受けた手術が失敗し、左股関節が曲がらないという後遺症を負った安選手。そこから始めた車椅子バスケットでは持ち前のパワーと巧みな車椅子操作で、すぐさま注目の選手となり、2004年、26歳でアテネパラリンピックの日本代表入り。さらに、イタリアのクラブチームとプロ契約、日本人初のプロのパラアスリートとなったのだ。

安選手に大きな転機が訪れたのは、34歳の時。ロンドンパラリンピックの車椅子バスケ日本代表から落選してしまったのだ。しかし、落ち込む間もなく「まだ自分はやれる!」と、車椅子フェンシングへの転向を決意。その理由は、この競技が「一番面白かったから」だという。そして、転向からわずか9ヶ月…車椅子フェンシング日本選手権で見事優勝を果たす。
その大躍進の鍵となったのは、安選手のストロングポイント「パワーを生かした剣の振り込み」だ。攻撃後、前のめりになってガラ空きになった相手の肩口へ、一撃を見舞うのだ。この技に必須なのが、剣を投げる力と、止める力。この2つの力で剣を大きくしならせて、敵の防御が及ばない部分を狙い打つ。かなりの腕力、パワーが必要となるが、バスケ時代に培った筋力が活かされているという。

しかし、世界を見据えると「パワー」だけでは勝てない、と冷静に分析する。そこで、より強くなるために、今、安選手が取り組んでいるのは「骨盤」の矯正だ。骨盤の使い方を意識して体を動かすことで、パフォーマンスに大きな差が出る。骨盤の動きを意識し、突きを繰り出すーその結果、突く瞬間、腕が以前より30度ほど大きく開き、格段に前へ伸びるようになったのだ。 さらに驚くべきことに、安選手は、剣を持つ手を利き腕の左から右へ変更した。競技開始から8ヶ月、左足の股関節が曲がらない安選手にとって左利きのままでは上半身の動きが制限されてしまうことが判明。世界大会で初勝利を挙げた矢先、ためらいなく右腕で戦う決意をする。
次のステージに進むためなら、積み上げてきたものも迷いなく捨てられる。進化するために挑戦し続けるーそれが、安選手のもう一つの強さ。
一撃必殺の技を携え、東京でのメダル獲得を目指す安直樹選手にこれからも注目だ。

  • ©NTV
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