アルプス山脈の東、世界遺産・ドロミティの麓に
築かれた渓谷の村。
周囲には3千メートル級の急峻な峰々がそびえている。
村人たちは、長らく畜産と林業で生計を立ててきたが、
世界遺産に登録されて以来、
世界中から観光客が訪れるようになり、
夏はトレッキング、冬はスキー客で
大いに賑いを見せている。

村に延びるロープウェイの運行管理者を務めていたが、9年前に定年となり、今は趣味の木工細工や養蜂を楽しんでいる男性。木工細工は、元々それほど興味はなかった。しかし、仕事中の事故で入院した時に仕事仲間が旋盤をプレゼントしてくれたのがきっかけでのめり込み、思いがけない人生の楽しみができた。
もう一人の主人公は、一般人向けの救急講習を受けたのがきっかけで、去年からプロの救急隊員となり、村を管轄する救急ステーションに勤めている21歳の若者。まだまだ経験不足で、緊急時の対応にはなかなか自信が持てないが、頼りになる先輩たちの指導を受けながら奮闘中だ。