アドリア海の青い空の下、
なだらかな緑の丘の向こうにある村。
13世紀に建てられたモンテグリドルフォ城は、
永きにわたって人々の暮らしを見つめてきた。
村人たちはなだらかな丘を耕しながら、
肥沃な大地の恵みを受け生きている。

体験農場を営む女性。娘と開いている体験学習は、子供たちに大人気のイベントだ。孫と過ごす時間を大切にしながら、動物の世話をし、森に入り、自然と共に生きる。
四年前、最愛の夫を亡くした。腕のいい木工職人だった。キッチンの家具や内装のほとんどは、夫が手掛けたものだ。家族が集うテーブルと椅子。キッチンの木枠のなめらかな仕上がり。お菓子やパンを置いておく年季の入った作業台は、体に合わせて作ってくれた。亡き夫の思い出を胸に、今日もキッチンに立ち、家族のために食事を作る。