イタリアの南、シチリアの西の沖合に浮かぶ島、
レヴァンツォ。
代々村人たちは、漁業と農業を生業としてきたが、
1960年代に対岸の街との定期船が運航されるようになり、島の生活は様変わりした。
今では夏になると
イタリア中から押し寄せる観光客で賑わっている。

島で20年以上、ボートツアーの会社を営んでいる夫婦。夏のかき入れ時は、2人で毎日海へと繰り出している。彼らの自慢は、地元の食材で作るこだわりのランチ。客からも好評で、連日予約がすぐ埋まる人気ぶりだ。とはいえ､船を出せるかは天気次第。1か月間、ほとんど収入がない時もある。
もう1人の主人公は、半世紀近く、海に眠るローマ時代の遺物を探し続けている海洋考古学専門のダイバー。結婚して家庭もあったが、ダイバーとして生きる夢をあきらめきれず、すべてを捨てて島にやってきた。念願かなっての移住だったが、不便も多い島での暮らしに苦労もあった。島に移り住んで30年。村のためにやれることは、何でもやってきた…。今では、この島を故郷のように感じている。