医進薬新 夢のメディ神殿2019スペシャル

毎週土曜 7:30~8:00放送

放送内容

第3回  免疫の仕組みとがん・自己免疫疾患

2019年01月20日 初回放送

<テーマ>

2018年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学・本庶佑特別教授の
研究テーマは「免疫」です。
人間本来が持つ免疫の力を活性化させ、
がんの治療薬誕生につなげました。
免疫が注目される中、日本人研究者のある免疫細胞の発見が
がん治療を推し進めています。
さらに、「自己免疫疾患」の治療も大きな進化を遂げています。

<免疫とは?>

免疫は、「疫病」から「免れる」ための体の防御システムです。

<免疫は2段構えで体を守る>

体をウイルスの侵入などから守る免疫には、
役割の違う2つのタイプがあります。
それが、「自然免疫」と「獲得免疫」です。
「自然免疫」は、生まれながらに体に備わっている免疫で、
体の中を見張り、侵入者を見つけて攻撃します。
「獲得免疫」は、侵入者の情報を後から学習して攻撃する免疫です。
「自然免疫」と「獲得免疫」は、まったく違う仕組みで協力しながら
働いています。

<日本人が発見した「制御性T細胞」>

体を守ろうと闘う免疫細胞は、侵入者と間違えて
自分の体を攻撃することがあります。
そんな時、免疫細胞をなだめて攻撃を止めさせているのが
制御性T細胞です。
発見したのは、大阪大学の坂口 志文特任教授。
この制御性T細胞が、がんの治療で注目されています。

<「制御性T細胞」発見物語>

坂口特任教授は、それまでの常識をくつがえすかのような
ある仮説を立てました。
免疫学の研究者たちの反応は、 冷ややかだったといいます。
しかし、免疫学界の大物研究者が仮説を支持したのです。
そして2003年、ついに仮説を裏付ける証拠を発見しました。
現在、制御性T細胞の働きは、がんだけでなく
色々な病気の治療応用が期待されています。

<自己免疫疾患>

自己免疫疾患は、免疫が誤って自分の体を攻撃してしまう病気です。
バセドウ病、橋本病、関節リウマチ、1型糖尿病などが知られています。
自己免疫疾患の中でも、患者さんが多い関節リウマチの治療は、
点滴や飲み薬、自分で注射する治療など薬が選べるようになり、
自分に合った治療が受けられるようになりました。

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出演者

大阪大学免疫学フロンティア研究センター
坂口 志文(さかぐち しもん)特任教授
順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京・文京区)
膠原病・リウマチ内科
田村 直人(たなか なおと) 教授
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