放送内容

第2話  ぜんそく・アレルギー疾患と新薬

2016年01月17日 初回放送

<今回のテーマ>

ぜんそくになる人は、30年で3倍に増加。
大人になってからかかる人も多く、症状のある人は推計800万人いると言われています。
しかし、さまざまな薬が開発され、治療は大きな変化を遂げています。
いままで改善が見られなかった重症の患者さんにも画期的な新薬が登場。そして、花粉症にも新たな治療法が登場。
ぜんそくとアレルギー疾患を巡る新薬の最前線に迫ります。

<ぜんそくとアレルギーの関係>

ぜんそくの主な原因の1つアレルギー。
アレルギーとは「アレルゲン」と呼ばれる原因物質が体内に入った時に体を守る免疫の過剰反応が起こること。
アレルゲンが体内に入ると「IgE抗体」という免疫物質が発生。
これが特定の細胞と結合すると化学伝達物質が放出されせきやかゆみとして現れます。
ぜんそくの場合、気道の粘膜細胞が剥がれ落ち、そこに炎症が起こります。
さらに刺激に過敏になってい気道全体の筋肉が収縮しようとします。
だから呼吸困難になってしまうのです。

<ぜんそくの治療とは>

まず使われるのが気道の炎症を抑える「吸入ステロイド」。
そして収縮した気管支を広げる「気管支拡張剤」。
こうしたくすりは、治療の基本的方針をまとめた「ガイドライン」に沿って選ばれます。
もう1つ使われるのが、「ロイコトリエン受容体拮抗薬」というくすり。
「アレルゲン」が侵入してきた時、結合した細胞から放出される化学伝達物質。
その中に含まれるロイコトリエンという物質を抑えるのが抗アレルギー薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬。

<ぜんそくの新薬>

2009年に登場したぜんそくの新薬「オマリズマブ」。
新薬・オマリズマブはIgE抗体に付着して、細胞に結合させない作用を持つくすり。
つまり、アレルギー反応を起こす前の段階で食い止める、新しい仕組みのくすりなのです。

<花粉症の新治療>

花粉症の新たな治療法が2014年10月にが保険適用になりました。
スギのエキスを口に含んで2分間待つ「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」。
スギのエキスが口腔内にとどまって、口腔内の免疫細胞が活性化されて効果を出すという免疫療法。
濃度の薄いものから濃くしていき、自宅で1日1回、通常2~3年続けます。 (2015年、ダニアレルギーの舌下免疫療法治療薬も登場)

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出演者

国立病院機構 東京病院 呼吸器内科・アレルギー科
大田 健(おおた けん)院長
帝京大学医学部附属病院 内科 呼吸器・アレルギー
長瀬 洋之(ながせ ひろゆき)准教授
国立病院機構 東京病院 アレルギー科
田下 浩之(たしも ひろゆき)医長
BS日テレ 医進薬新 夢のメディ神殿2016スペシャル