バルセロナから高速船で約3時間半のところに位置する、バレアレス諸島最大の島マヨルカ島。この島は年間およそ300日が晴天で、気温は真夏でも35℃を越えることがなく『地中海の楽園』と謳われています。この恵まれた気候と島に溢れる豊かな自然、そして太陽を求めて世界中から観光客が押し寄せる、ヨーロッパ随一のリゾート地です。
マヨルカ島南部に位置する、バレアレス諸島の州都でもあり、マヨルカ島最大の街でもあるパルマ・デ・マヨルカ。パルマ湾はマヨルカ島の海を楽しむ為のヨットやクルーザーで埋め尽くされています。その奥に佇む旧市街は、ゴシックやルネッサンス、バロックといった様式の建物があちこちに点在しています。また19世紀末、スペインのカタルーニャ地方で始まった芸術復興活動の中で生まれた、曲線の使用や華やかな装飾性などが特徴のモデルニスモ様式の建物も多く見られ、街全体が美術館のようです。
旧市街の真ん中にあるお店で見つけた、渦を巻き直径30pは超えている、マヨルカ島伝統のパン、エンサイマーダ。試食してみると、フワっとしていて独特の風味が後をひきます。その秘密は、生地に使用しているラード。マヨルカ島では家畜の大多数が豚で占めているため、バターの代わりにラードを使うのがごく自然なこと。エンサイマーダは昔からずっとマヨルカ島の人々に愛されてきました。渦巻きは時計回りと決まっていて、決して逆では作らないそう!日本では珍しい「カボチャのジャム」が入っているのがベーシックなもので、他にも色んなバリエーションがあり、フルーツや、ソーセージをのせたものもあります。
マヨルカ島を征服したハイメ1世によって1230年建築が開始され、1601年に完成した、パルマ・デ・マヨルカ大聖堂。内部は天井が高く、中央部分は高さ44メートルという壮大なスケール。壁中にずらっと並ぶステンドグラスや直径11mはある大きなバラ窓が美しく光に映し出されています。そして最も注目すべきは、中央祭壇の前につり下げられた、滑らかで斬新なデザインの天蓋飾り。珍しい鉄製で出来たこの天蓋飾りは、バルセロナに多くの傑作を残した建築家アントニオ・ガウディのデザインによるもので、その骨組みはファンタスティックなライトをつないだきらめく光の輪になっています。キリストが磔になった十字架も、ガウディらしい柔らかな光と曲線で表現され、キリストを包み込んでいるよう。ここには色と光が織りなす奇跡の世界が広がっています。
マヨルカ島北部に位置し、のどかな緑の中に佇む街、アルクディア。14世紀に建てられた城壁に囲まれ、今も尚、中世の面影が残る小さな街です。その姿は、海岸に近代的なリゾートホテルが建ち並んでいる景色とは対照的に、素朴で静かで、まるで時が止まっているかのような気持ちにさせてくれます。
青空の下で開かれるマヨルカ島で一番大きなアルクディア市。美食の島ともいわれるマヨルカ島、その朝市には、新鮮な野菜や果物だけでなく、様々な食材が所狭しと並びます。綺麗な花々や、マヨルカ特産のアーモンドも!1本のパラソルの下に広がる小さなお店では、おじいちゃんが笑顔で「全部うちの畑で採れた自然のものだよ」ですって!今朝もいだばかりの真っ赤なサクランボに、採れたての野菜、果物、卵まであります♪その隣には、丸くて茶色い物…。これはトレスパルドといって、いちじくとアニス、ハーブをすりつぶしたお菓子で、おじいちゃんの手作りなんだそう!プチプチとしたイチジクの種の食感が楽しい郷土の味です。こういった優しい味との出逢いこそ、市場巡りの醍醐味ですね♪
パルマの旧市街にあるマヨルカ島の郷土料理が評判のレストランで、旬の食材を使った料理をオーダー。料理が来るまで「パロ」と呼ばれるマヨルカ島名物のトロッとしたお酒を炭酸水で割っていただきました。これは薬膳酒。いい香りが食欲をそそります♪一品目はアーティチョークのヴィネグレットソース添え。茹でたアーティチョークをマリネし、トマトとタマネギをたっぷりかけたサラダです。旬のアーティチョークはとっても肉厚!さっぱりした味わいの中で、アーティチョークがトロッと溶けてしまいます♪お次は、ロモ・コン・コルというマヨルカ島を代表する家庭料理。分厚い豚肉をキャベツで包んでトマトソースで煮込みます。甘いキャベツと濃厚な豚の旨味がトマトソースの爽やかさと抜群の相性!一緒に煮込まれているレーズン、松の実、ソーセージも名脇役です♪お腹も心も幸せにしてくれる、そんなあったかい家庭料理に大満足です!
マヨルカ島の自然を楽しむ為に、パルマを離れてソィェルという町を目指します。そこに連れて行ってくれるのは、可愛らしい木製の列車、トレン・デ・ソィェル。味のある車体に内装も木の温もりがいっぱいに溢れています。ゆっくり動き出したと思ったら、みるみるスピードを上げる列車!ガタゴトと線路を弾くリズムの中、周りの景色は町から田舎の牧歌的な風景に・・・。いろんな景色が楽しめて、乗っている時間があっという間に感じられます。
列車に揺られること1時間、パルマから北へおよそ35qの所にあるソィェルは、マヨルカの最高峰プッチ・マジョール山の麓にある、緑溢れる美しい山々と、オレンジやレモン畑に囲まれた土色の素朴な建物と緑が広がる、小さな田舎町です。
3ヘクタールのオレンジ農園の中に宿泊施設をもつアグリツーリズモ。ここはソィェルの村までは600m、海岸には3kmの距離といったロケーションにあります。私が泊まるのは、この地域の古い農家を改装したコテージで、石造りの壁に可愛らしいシャンデリアが下がった素朴さとモダンがマッチしたお部屋。そして窓の外には広大な農園と季節の花々、そして爽やかに香るオレンジとレモンの香りが広がります。お庭を散歩していると、オレンジの収穫をするというご主人のラファエルさんにご一緒させてもらって、オレンジ収穫体験!採れたてのオレンジはとっても香りが良くて味も濃い!そして何と、このもぎ立てのオレンジを使って奥さんのルルドさんがデザートを作ってくれることに♪メニューはスポンジケーキで、スペイン語で「ビスコッチョ」と言います。生地に入っていくのはオレンジジュースとオレンジピール!出来上がったビスコッチョはふわっふわの生地からオレンジの風味が豊かに広がって最高♪ルルドさんは普段でもオレンジを使ったデザートや料理を沢山作るのだそう。その中でもびっくりしたのがオレンジご飯!!でもご家族には大評判だったとか!豊かな自然に囲まれて、思いっきり羽をのばせる、居心地の良い空間。「ずっとここにいたい!」って思えるそんな素敵なところです。