メキシコの南部に位置するオアハカ州の州都オアハカ。ここはサポテコ人など先住民族の人口比率が高く、その文化も根強く残っています。また、町には色とりどりの建物が溢れ、スペイン統治時代のコロニアル建築が町と溶け合って美しい表情を見せます。
ベニート・フアレス市場で見つけたのが、オアハカチーズ。毛糸球のような形にクルクル巻かれていて、見た目は可愛いこのオアハカチーズは、裂いて食べるチーズです。塩気があって、美味しくおつまみにもぴったり!地元っ子にとても愛されています。
お隣のベインテ・デ・ノビエンブレ市場で発見したのが、煙がもくもく漂う一角。ここではお肉屋さんが軒を連ねていて、買ったお肉をその場で焼いてくれるのです。注文の手順は、別売りの野菜(しし唐やねぎといった薬味)を買い、その野菜をお肉屋さんに持って行くと、選んだ肉と一緒に炭火で焼いてくれます!実は野菜のカゴが焼いたお肉と野菜のお皿代わりにするんです!肉汁たっぷりのお肉を熱々のトルティーヤに巻いて・・・簡単なのに贅沢で美味しい!焼いた野菜は箸休めに。市民の台所、市場には驚きと美味しさがいっぱいです!
オアハカはカカオの流通・取引がメキシコで一番多く、カカオの町と呼ばれています。カカオの歴史は古く、なんとマヤ文明の時代から栽培されてきました。かつては高貴な人しか口にすることができませんでしたが、今では生活に欠かせない食材になっています。店頭に売っているチョコレートはブロックの形状の他にペースト状であったり、粉末であったりと様々。それは、お菓子だけでなく、チョコレートを料理にも使うからなのです。チョコレート文化をここに見つけました。
チョコレートを使った料理を知りたい!ということで、お料理名人のノラさんを紹介してもらいました。ノラさんに教えてもらうのは、オアハカの最高傑作と呼ばれる「モーレ・ネグロ」。4種類の乾燥させた唐辛子、ナッツやスパイス等を別々に豚のラードで素揚げして、油に味を付けていきます。その油は最後にパンに浸み込ませます。揚げた食材を全てを潰してペーストにしたら、チョコレートを沢山!砂糖も沢山加えてじっくり煮込むと、ドロドロで真っ黒になってきます。さらにグリーントマトのピューレとチキンブイヨンを加え、塩茹でしたチキンを投入してやっと完成!とても手間隙かかる料理です。味はというと、カカオの香が漂う甘辛い味噌のような、まろやかで複雑で不思議だけど、癖になっちゃう美味しさ。チキンともご飯とも愛称抜群!チョコレート料理、恐るべし!
街で見つけた青空市場。ここでの出会いは、色鮮やかな木彫りの人形、アレブリへス。 形に、表情に、一目惚れしちゃいました! ※アレブリへスとは 動物や空想の生き物などを山刀で彫刻し、さらに独特な色合いで彩色した木彫り人形(ウッドカーヴィング)。何百年にもわたり伝えられてきたこの伝統工芸は、もともと子供用に作られたおもちゃの人形が起源だったと言われています。そして先住民族の文化が栄えた時代に、祭壇への供え物として祀られるようになりました。モチーフとなる動物たちは、神の化身として親しまれてきたものが多く見られます。
アレブリへスの伝統工芸が有名なサン・マルティン・ティルカへテ村。おじゃましたのはサポテコ民族の血を引くハコボさんの工房。アレブリへスの材料となるのはオアハカ盆地の原産種で、サポテコ民族にとって、とても神聖な木コパル。それを職人さんが丁寧に削り、象っていきます。作られる形の多くがこの地に息づく動物たち。その形を授かった人形たちは、全て自然のものから作られた塗料で色付けされます。驚くことに、コパルは人形の材料だけでなく、樹皮を乾燥させ粉末にすると塗料にもなるんです。その粉末を果物や、石灰などと組み合わせると何十色と出来上がります。その神聖な木からの恩恵を表面に着せた後に描くのが象形文字のようなサポテコの文字を用いた模様。サポテコの伝統と誇りが吹き込まれたアレブリへス、「サポテコの心」を一つ持って帰りました。
サント・トマス・ハリエサ村では、縦糸を柱や木に吊るし、その下を腰の皮ベルトに付けて織るという独特な方法で織物が作られています。はじまりは民族衣装の帯だったのですが、その織物の伝統を絶やさぬよう、ベーシックである帯から、手さげ袋やランチョンマット、ミサンガ等、様々な形にアレンジが加えられています。その織物にはこの土地の自然や動物、風習を表した柄が。織り方も柄も遠い昔から伝えられてきました。1本1本絡まる糸と糸の繊細な織り目、トントンと弾む機の音、じんわり心を温かくしてくれます。