北欧ノルウェーの首都オスロ。今日はここから鉄道で一路西へと向かいます。やってきたのは、オスロ・セントラルステーション。朝の構内に響く雑踏・・・。旅の期待感が高まります。ここセントラルステーションはノルウェーの大自然を楽しむ起点となる場所。そのため大きな荷物を手にした様々な国の人々で溢れています。今回の旅はノルウェー南部を横断する鉄道の旅。まずは、ここオスロから第二の都市ベルゲンを結ぶ路線に乗り、ちょうど中間にあるミュルダールという町で下車します。皆の夢を乗せるのは、青いラインが印象的なベルゲン急行。列車の中はキレイなオレンジ色。ナチュラルなレザー張りの座席にちょこんと木のアクセント。森の国ノルウェーらしいですね。これから最初の目的地ミュルダールまではおよそ4時間の旅。どんな出会いが待っているのかなぁ〜。オスロを出てすぐに目に飛び込んでくるのは家々の間を縫うように茂る濃い緑の木々。こうした環境が身近にあるっていいですよね。今回私が予約した1等車にはビューラウンジがあるんですよ。だから左右どちらの景色も楽しめるってわけ♪わぁ〜家と森の割合が逆になってきた!豊かな緑に癒されながらの旅、気持ち良いなぁ〜。でも…雲行きが怪しくなってきて、ついに降ってきちゃいました…あ〜あ 晴れていたら絶景なんだろうなぁ〜。でもそこでめげないのが私!向かったのは食堂車でコーヒーとサンドウィッチを購入!長旅だしコーヒーでも飲みながらのんびりと行きましょう。定刻通りに目的の駅ミュルダールに到着しました。
ここミュルダールで列車を乗り換え、さらに奥へと向かいます。待つことおよそ5分。次なる旅の相棒はノルウェーの深い森と同じ色のフロム鉄道。ここミュルダールとフロムを結ぶ世界の鉄道ファン憧れの山岳鉄道です。うわぁ〜木の良い香り♪大きな木をくり抜いたような、ノスタルジックあふれる列車です。さすが人気の路線だけあってあっという間に乗客でいっぱい!ここミュルダールとフロム駅を結ぶフロム鉄道。およそ1時間かけて、今度は険しい山を下っていきます。雨はやんだけど、相変わらずの空模様。期待と不安の中、出発です。走り出すとすぐに目の前に雄大な山々が…。白く低い雲が景色をより印象的に見せてくれます。深い緑の森に1本の糸のような滝。下を覗けば…うわぁ〜!列車のすぐ脇は崖ですよ!よく見るとあそこは…さっきいたミュルダールの駅だ。もうこんなに下ってきたんだぁ〜。ん?電車が停まっちゃった。どうしたのかな?みんな降りていくみたいだけど…あっ滝だ!折からの雨で水量が増えたため、身に降りかかる飛沫はまるでどしゃ降りの雨!高い山々の雪解け水が流れ落ちるフロム鉄道の景勝地 ショース滝。皆さんびしょぬれになりながら記念撮影。間近で見ると凄い迫力!神秘の滝にしばし圧倒されました。ショース滝を過ぎると気まぐれな天気も少し味方してきたみたい♪山々の表情も光のコントラストでより豊かに変化していきます。あっ小さな村が見えてきた!こんな雄大な自然の中だとなんだかドールハウスみたい♪険しい山々を抜け、およそ1時間。そろそろ終点のフロムに到着です。
ここフロムで鉄道の旅は一時中断。ここからはフェリーに乗り換え次なる旅へと向かいます。私の乗る船が来るのは1時間後なのでここでちょっと一息つくことに。ランチはノルウェーの伝統料理でトナカイのハンバーグとジャガイモとソースがついたサーモンを注文。わぁ〜ワンプレートでちょうど良い量ですね。トナカイのお肉のハンバーグなんてなんとも北欧らしい。コケモモのソースをたっぷりとかけて食べるのがお約束。う〜ん♪思ったよりも甘酸っぱいソースが良く合う!素敵なランチでした。
出発までまだまだ時間があるのでこの町を散策してみることに。歩いていると土産屋さんを見つけました。何か面白いものはないかな♪あ、トナカイの人形だ。かわいい♪ん?この人形は・・・?実はこれトロールと呼ばれる、ノルウェーの妖精なんです。どのトロールも表情豊か。「かわいい」とはお世辞にも言えないけれどどこか憎めない感じですね。旅のお守り代わりにひとつ買っていこうっと♪
ここからはフェリーに乗り世界一長く、深いフィヨルド。ソグネフィヨルドをクルージング。ここフロムからはソグネフィヨルドの最も奥にある二つのフィヨルドを回れます。さあ、いよいよ出発。ノルウェー南部のハイライトが目白押しというこの船の旅。期待がふくらみます♪出航しておよそ20分。まず目の前に見えてきたのはアウランフィヨルド。水面(みなも)に姿を映す切り立った断崖。緑があるせいか思ったよりも優しい表情。あっ!見てあの崖の上…。あんなところに家がある。人が住んでるのかな?それにどうやって行くんだろう?景色を楽しんでいたので気付かなかったけど、ふと横を見ると操舵室です。嬉しいことに操舵室に招き入れてくれました♪ははっ(笑)船長さんヴァイキングの帽子をかぶって悪ふざけ?ふふっホント陽気な人だなぁ〜。「フィヨルドの色はいつも違う色を見せてくれる。実はフィヨルドが一番きれいなの日は晴れている日ではないんです。太陽がちょっとだけ出ていて雲がある日の方がフィヨルドは幻想的な表情を見せる。それは素晴らしい景色ですよ。」と語る船長さん。この土地を愛しているからこそ、語れる言葉ですね。船長さんの言葉の通り。低い雲が竜のように舞うその表情はあまりにも幻想的で、まるでおとぎの世界に迷い込んだよう。あいにくの天気がこんな素晴らしい景観を見せてくれるなんて・・・!こうやって長い年月をかけて削られたからこそ、今の表情があるんですね。この急な岸壁にいくつも糸をたらしたような絶景は、地元の人でも滅多に見ることはないのだとか。人間を遥かに超えた 雨と大地の営みに、ため息ばかり・・・。フェリーに乗っておよそ2時間。目的地グドヴァンゲンが見えてきました。あ〜素敵なクルージングだったなぁ〜
切り立った山間(やまあい)を走ること20分。深い山々に囲まれた「スタルハイムホテル」。レンガ色をした山荘風の味わい深いホテルです。中もふんだんに木が使われている。あたたかい雰囲気ですね。今回泊まるのは333号室うわぁ〜可愛らしいお部屋。アクセントカラーの赤がキュートですね。窓からの眺めは切り立った岩山に深く切れ込んだ谷。幾重にも連なった山々の淡いグラデーション。こんな雄大な景色が目の前にあります。なんて贅沢なんでしょう。その景色はお部屋から見ると枠に収められた一枚の絵のよう。厳しくも美しいその姿を独り占めしながら今日一日を振り返る。それは特別な私だけの時間。
ここは1150年頃建てられたというボルグンスターヴ教会。教会というよりも敵を威圧する城のよう。その屋根は、表面がまるで龍のウロコ。梁にはなんだか不思議な文字も刻まれています。霧に抱かれたその佇まいはまるで森に住む龍のようにも見えます。ウロコのような屋根になんだか黒いものがこびりついてる。これなんだろう?実はこの黒いのは木材を腐らせないために塗られたタール。このタールのおかげでおよそ900年もの長い年月この姿を守り続けてこれたのだそう。中はどんな風になっているのかな?うわぁ〜真っ暗。それにむせ返るような木の香りが充満している・・・。奥に祭壇を見つけました。やはりここは、教会なんですね。思いのほか細い柱。でも、手のひらから、長い年月を耐えた強さを感じます。深い森に眠る木造教会。今もなお、聖なる魂が息づいているよう・・・。荘厳でありながら慈悲深い表情に、いつしか心が癒されていく。ここはノルウェーの心の原風景。
ホテルから車でおよそ40分。ヴォスという町にやってきました。ここヴォスから再び列車に乗って、いよいよ旅の終着点、ベルゲンへと向かいます。ベルゲンまで車窓の景色はどう変わっていくのかな。最後に乗る列車は、ローカルのベルゲン線。ここヴォスから終点ベルゲンまでは、わずか1時間程です。地元っ子たちとのんびり列車に揺られていると・・・。山の斜面に白い壁の家々が見えてきましたよ。まもなく到着です。あったかい。さあ、上着を脱いで足取り軽く最後の町に繰り出しましょう。ノルウェー第二の都市ベルゲン。入り江に迫る山肌に張り付くような白い家々が印象的。まずは街の中心地、港へとやってきました。あっ市がたってますよ。カニだ!さすが港に隣接しているだけあって新鮮そのもの!その他にもとれたてピチピチの美味しさがズラリ!ん?このちょっとグロテスクなのは?「これ、なんていうお魚?」この何とも不気味な(うお)こちらは、その名もオオカミ魚。見た目とは違って凄く美味しいんだとか…。あ、サーモンだ!どれも大きいですねぇ〜。へへっもらっちゃった。ではいただきます!う〜ん!美味しい!やっぱり市場の醍醐味は、試食ですよね〜。
市場を抜けるととんがり屋根の建物が見えてきましたよ!中世を思わせるこちらは世界遺産ブリッゲン。ハンザ同盟時代の面影を今に残す13世紀頃に建てられたハンザ商人の家々です。どの建物も肩を寄せ合うように支えあってる。うわぁ〜随分とゆがんでいるんですね!好奇心に誘われて、足は勝手に奥へ。建物も木造だし、地面まで木造。ブリッゲンの後ろは、なんと全部木で出来た町でした。まるで迷路みたいに複雑な構造…。そんな世界遺産の中に刺繍のお店がありました。こちらで扱っている商品には全てこの地方伝統の刺繍が施されています。もっとも特徴的なのは、この四角いパンチング。綺麗ですね。あっここにもお店があるぞ!何のお店かな?う〜んいい匂い♪ブリッゲンの置物かな?キャンドルのお店だったんですね。
この建物、かなり古そう・・・。レストランって書いてあるぞ。そうだ!旅の締めにディナーと行きましょう!見た目ほど、きしみもなく結構頑丈なつくりですね。「トゥーコッカー」。古き良きハンザ同盟時代のブリッゲンを思わせる落ち着いた雰囲気。少し撓んだ梁に長い歴史を感じます。さてさて何をいただこうかな…。まずは鯨のカルパッチョ。鯨はノルウェーでも昔から食されてきた伝統の食材なんです。鯨肉に、オリーブオイルとパルメザンチーズと松の実を合わせたこちら。牛肉のような濃厚な味わいです。さぁメインの料理がきました。緑と白のコントラストが綺麗です。採れたて肉厚なオヒョウのオーブン焼き。相性の良いホワイトソースでおめかしされています。肉厚!しっとりふわふわの身はまるでささみのような食感。北欧では、お肉や魚に甘酸っぱいベリーのソースを付けるのが定番。最初はちょっと抵抗がありましたが、これがまた絶妙!世界遺産の建物でここならではの伝統の味を楽しむ。旅の締めくくりにふさわしいひと時でした。